窓際で
               作詞・作曲/坪内 佐智世


頭痛が治まった夜 風はまだ強く吹いて
窓際のガジュマルの樹は きしみつつ今夜も根を張る

いつもここで止まってしまうんだな
諦めて抜かされるみたいに

競って奪ってまで手にしたくはない
また一つ手を放し 肩すくめ見上げれば

あの月につながる
あの月につながる

一つ終わったあの夜のあの空にも浮かんでた
あの月につながる


戦争の飛行機がこの街を焼いた夜も
6月の湿った風は あの月を潤ませていたはず

殺されずにすんだ父と 生き残った母と
身代わりのように透明になった人たちの
つながるところで呼吸するこの体

時折 人肌にさらすなどしてそれも
あの月が見ている
あの月が見ている

任せつつも揺れつつも あの光の意味を辿る
あの月が気になる


すべてがつながり すべてが過ぎてゆく
歴史と名づけてから見送る
すべてを許して すべて受け入れてそして
また ひとりに戻るなどして
月の夜に死にたい

あの月に任せて
あの月に任せて

白い骨だけの蒼い世界が 時間に取り込まれてゆくのを
あの月は見ている

あの月は見ている
あの月は見ている
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