置き去り感
〜思考試行錯誤〜

 

小さい頃から春と夏は好きになれない。空気のざわつく感じに、居場所をなくす。

特にこの、初夏の、落ち着かない夜の匂いの中、
ざわざわと動き始める生のエネルギーについていけなくなる。
無言の騒がしさに、ほっといてちょうだいと耳を塞ぎたくなる。

自分の周りで自分に向かって起こり続ける事のほとんどは、
それは己の感情やそれに伴う言動なども含めてだけれど、
自分の力ではどうしようもないことばかりで、
しかもそれらは大きな流れとして
始めから在ったものであることを思い知らされることばかりで、なかば
うんざりしてしまう。

そう感じるがゆえに、これからは少しでも心の平穏を保とうと、
その大きな流れを読もうとして
見えないものにまた耳をすましてしまい、
全神経を集中させてしまい、なおさら私はじーっとしてしまい、
ざわつくこの時季の喧騒についていけなくなる。

そんなふうにしていることで歌ができることもあるけれど、
それはやがて人に伝える場を生じさせ、
そこはまた、他人との接点という意味において、
私にとって居心地のよくない、ざらついた、落ち着かない空気を生んで
しまうこともある。


                                  2003.5.8

 

 

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