| 再びの、修理コーナー
〜思考試行錯誤〜 |
2年ほど前に、味噌作りのために煮た大豆をペースト状にしようとして ブルルン!とボタンを数回押したところでぴたっとジューサーが動かなくなってしまい、 壮大な苦労の挙句に修理してもらおうと持っていったら 修理コーナーのおじさんが本体をひょいっと裏向け、復帰ボタンをカチッ・・・ 直ったのかよ・・・・・ という、非常に脱力な経験をした。 という話は、「思考思考錯誤」の中の「復帰ボタン」に収録。 そしてまた・・・・ 行くことになったんです、電器店3Fの修理コーナーに。 最近インターネットのプロバイダを変えたので、 解約したほうの会社から年間使用量の残額分を振り込むこちらの口座を教えてください、と電話。 ファックスで用紙が送られて来たので、 口座番号を書き込んで送り返すため、用紙をセット。 ジーーーーー。 紙をかみこむ。 番号を入れて、送信。 ジジ・ジー・ジー・・・ジジー・・・ ・・・・・・ 「ゲンコウガツマッテイマス」 ありゃりゃ〜ほんのちょっと角度が悪かったらしい。 感熱紙だからなんかちょっと薄いしねー。 引っ張り出してやり直す。 用紙をセット・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ 用紙がセットできない。 機械が紙をかまない。 そうか。 しみじみ。 思えばこのファックスを買ってからもう10年近い。 買った当初は韓国にいた頃で、こやつも一緒にあの いつもどこかの隙間からキムチ系の匂いが漂ってきてるような部屋にいたのだったなぁ。 これ確か「おたっくす」とかいう名前で、コピーもとれるところが魅力的で、 CMしてたのはスマップだったなぁ。 あんまし使わないようでけっこう大切な手続き関係なんかはこれ使ってきたもんなぁ。 10年近くも使ってたとなると、もうそろそろ寿命なのかなぁ。 まぁ、感慨深くはあるけれど、見積もり料金取られて 修理代取られて、って考えたら新しいの買う方がいいんだろうなぁ、 また世の中にゴミを増やすことになるけどなぁ。 ・・・感慨は尽きない。 まぁ、だからっていきなり捨てるのも気が引ける。 お店できっと、あ〜もう寿命でしょうね〜・・・みたいになって 見積もりでこれだけ、修理でこのぐらい以上はかかりますよ、みたいに言われて あ〜そうですかーじゃもう新しいの買ったほうがいいんでしょーねー・・・っとか言って、 ま〜そうですねー今はもう安くて良いの出てますからねー、そうですかー、 っというような過程を経るであろうことをひとり確信して、 あの、復帰ボタンの存在を知ることになった修理コーナーに 持って行ける日を待った。 外はすごい雨。 あーあ、けど今持って行くしかない。 一番大きいバッグにおたっくすを入れ込み、えぃっ、と出発。 電器店についただけでもううんざり。 入ってすぐの正面に、私の心を知っているかのように並ぶピカピカの新世代ファックスたち。 けどよく見たら「在庫処分」とか書かれていて、既に古いモノ扱いされていたのかと気づく。 1万円切ってるものも。 改めて眺めるNEWジェネレーションたちの姿は、 明るい色合いで、なんか透明感あふれていて、 本体も子機もとにかくコンパクト。 それに比べてこの私の肩にのしかかる、雨にぬれた黒いでかバッグの重たさよ。。。 しかもこやつは暗いグレー。 いかにも昔の家電製品って感じ。 さ、先を急ごう。 結局帰りには1万円前後であのNEWの1つを連れて帰ることになるのかしら。 まぁとにかく、まずは頭の中で確信していたやりとりを繰り広げて 我がおたっくすに別れを告げるに納得するだけの過程を経なければ。 修理コーナーはどこだったっけ。 店員さんに確認。3Fか。 3Fに着く。 修理コーナーのカウンター内にいる、あ、あの人は、あの髪型は、 確かジューサーの復帰ボタンの存在を教えてくれたおじさんだ。 また来たのかーここに。 そんなことまで感慨深い。 前のお客さんとの話が続いている間、周りを見回す。 「初診料 当社でお買い上げのもの:1,050円 他社でお買い上げのもの:2,100円」 そうかー。 なにせ10年も経ってるし、ここで買った証拠とかも無いと思うから、 見てもらうだけでも2,100円かー。 保証期限が切れた修理代の最低限の料金の数字も貼り出されている。 古いモノだから部品が無いとか言われたりして、 もっと料金かかったりするもんなんだよなーたいてい。 ますますさっきのきらきらジェネレーションの1万円前後の数字が 安く思えてくる。 前のお客さん終了。私の番。 なんかもう、こんな古いモノを見せること自体が恥ずかしいわ。 心がかなりキラキラに傾いているようだ。 「あのー、原稿を送信できなくなってしまって・・・」 と言いながら引っ張りだそうとするも、でかいのでバッグの口にひっかかって 引っ張るの手伝ってもらう始末。 新しい物を買うという選択肢もちゃんと持ってます、 この古いモノに固執してる頑固者ってわけじゃないんです、というアピールも忘れない。 その間にもあの復帰ボタンおじさんは どうも既に何か一つのことをしようと突き進んでいるように見える。 中の用紙が見えるところをガバっと開けてみたり、 あ、このメーカーはこっちじゃなかったか、みたいなことをつぶやきながら また違う角度からどっかのミゾを覗き込んでみたり、 あちらこちらをとにかくなめまわし、 なんか細い棒でしきりに狭い隙間の奥のほうをどうにかし始めた。 ・・・・・・・・まさか・・・・・ ・・・・まさか、またここで直るのか?! あの復帰ボタンをカチっと入れられて動いたジューサーのように。 そんなバカな。 だってこれはほんとに古いんですもの。 寿命なんですもの。 もう買い替えないと・・・・・じゃないのか?! そんな私の心のさざ波をまったく知る由も無いおじさんは 淡々と次の段階に進み、既にちょとさっぱりした表情でコンセントにつないで電源を入れて・・・ まじで? 「じゃ、ちょっと、コピーだけしてみましょうね。」 その辺のA4の紙持ってきて、原稿トレイに、セット。 ジーーーーー。 う、う、うごくのかよぉぉぉーーーーっっっっ!!!! 通常、用紙をセットする時に最初に紙が触れるミゾの浅いところに嵌められている 3センチ足らずほどの樹脂状の部品が、紙のすべり止め的にも働いているのだろうが、 原稿が詰まって一度引っ張り出したときに 逆に紙に引っ張られた形になって逆方向にめくれ上がってしまったために 次に用紙をセットしようとしても 機械がかみこむより手前で引っかかっていたというだけのことだったそうな。 原稿が詰まればセットしたのと逆方向に引っ張り出すしかないので この事態はある意味不可抗力的というか、まぁふっつーーに起こり得る、 購入直後に起こっていた可能性も否めない程度の症状だったのね。 あのー・・・・ってことはつまり、まだバリバリ現役かよ、グレーな巨大おたっくす。 再び、修理代を払うこともなく復帰ボタンおじさんに救われる。 おまけにバッグにおたっくす押し込むのも手伝ってもらう。 一緒にバッグに入れ込みながら、間が持たず、 この本体はまだ動くとはいえ、も〜子機もとっくの昔にバッテリがばかになって 充電できなくなってしまって、と言ってみたら 「バッテリだけ売ってますよ、そこに。」 やっぱしただの現役だったのかよ。 御礼を言って後にする3F修理コーナー。 NEWジェネレーションたちの横を素通りして雨の中へ。 まだまだ世代交代は遠かった。 てゆうか、・・・・ほんとは買い替えたかったのか? 2006.9.10 |